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人間のように言葉を喋れない動物でも、コミュニケーションを取る必要に迫られることもあるだろう。そんな時にオオカミは、獲物捕獲のため仲間と目で意思疎通を図り、犬は飼い主に目でコミュニケーションを取っているとの研究結果が発表され話題を集めているのだ。
・イヌ科動物の目と顔の特徴を比較
「目は口ほどに物を言う」とのことわざ通り、人間は一瞬の狼狽や怒りが目に表れやすい。そんな目で語り合うコミュニケーションは、人間に限ったものだけではないようだ。東京工業大学と京都大学の研究チームが、イヌ科動物の目の特徴と虹彩(網膜に入る光量を調節する膜)の色、顔の斑点や模様を比較して、どれぐらい目で意思の疎通を図っているか検証した。
・イヌ科動物を特徴により3グループに分けて検証
まず研究チームは、以下のイヌ科動物を3つのグループに分け、仲間同士でどのようにかかわり合いをもつか観察した。
【Aグループ】
種類:灰色オオカミ、コヨーテ、キンイロジャッカル
特徴:瞳孔よりも虹彩の色が明るい。毛皮の斑点や模様、色により目の位置がかなり分かりやすい。狩りも生活も群れを成して行動する。
【Bグループ】
種類:タテガミオオカミ、ディンゴ、キットフォックス
特徴:毛皮の模様で目の位置は分かるが、瞳孔が見えない。単独もしくはつがいで行動する。
【Cグループ】
種類:ヤブイヌ、タヌキ、リカオン
特徴:目が際立つ毛模様や色がない。群れで行動するが、狩りは単独で行う。
・獲物捕獲のため目で意思疎通を図る
その結果、3グループのどの種も仲間と目を合わす回数はほぼ同じだったが、Aグループは視線を交わす時間が著しく長く、仲間とよりかかわり合いをもっていることが判明した。
狩りも生活も集団で群れるAグループの目が際立っているのは、獲物を狩る時に仲間と目でコミュニケーションを取る必要があるからだ。そしてつがいか単独で行動するB・Cグループの目が目立たないのは、獲物を獲るために仲間とアイコンタクトを取る必要がないからだと結論づけられている。
・虹彩の色を比較
人間は紫外線量に順応した結果、肌や目の色が異なる人種に分かれた。そこで研究チームは、北極地方と温暖な地域、亜熱帯に生息する3種類のオオカミの虹彩色を比較した。しかし色にほとんど違いは見られず、オオカミの虹彩色が明るいのは生息環境ではなく、仲間と目でコミュニケーションを取っているため発達したのではないかとの見解に達している。
・飼い犬も目で意思の疎通を図っている
また以前行われた研究で、同じ環境で育ったオオカミよりも犬の方が、人間と直接アイコンタクトを取る傾向があることが明らかになっている。
飼い犬と言葉で会話をできなくても、視線で意思を伝えることができそうである。愛情あふれる暖かい視線を、ワンちゃん達に送ってみてはどうだろうか。
参照元:Mail Online(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Rocketnews24.
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オリジナル記事: 犬は “視線” で会話している!? 「オオカミは獲物捕獲のため仲間と目で意思疎通を図っている」との研究結果
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